マクドナルドだけで世界に3万店舗、毎日4000万人以上の客に1個100円のハンバーガーを売っている。青空の下、牛たちが草を食む風景はもうない。ハンバーガー用の牛は、牧場ではなく「工場」で作られる。狭い柵のなかに何万頭もの肉牛が押し込められ、エサは牧草ではなく、トウモロコシの飼料。草の2倍のスピードで体重が増える。

 

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「牛工場」の吐き気がするような実態を暴いたのは、2006年に映画化された『ファーストフード・ネイション』である。牛工場から解体、ハンバーガー・チェーンまでの過程をドラマ化したものだ。
 

牛の足元は垂れ流した糞尿でドロドロ。こうした育て方は動物虐待としてカリフォルニア州などでは禁止されたが、コロラド州などでは続いている。



 

いのちの工業化

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ドイツのドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』で、と畜シーンは家畜の種付けおよび帝王切開とセットになっている。工業化された畜産業ではもはや自然分娩はなく、管理のためにすべて帝王切開になる。
 

生も死もモノ扱い。
 

家畜への愛情や生命への尊厳はどこにある?
 

収穫後、洪水のような量の野菜や果物がベルト・コンベアーを流れ、選別されていく。選り分けられた「不合格品」はどうなるのか?それに何より、これほどの農作物の量は異常ではないか?毎日、本当にこれだけの量が必要なのか?

 
 

全体の半分がゴミになる

20140619_04FAO(国連食糧農業機関)によると、先進国では食料全体のうち半分がゴミとして捨てられているという。その一方で世界では約10億人の子どもたちが飢えている。
 

産地でも食物廃棄は行われる。形や大きさが基準に合っていない野菜や果物は捨てられる。味や栄養には問題なくても、だ。
 

キュウリはまっすぐなものしか流通しない。店に並べやすい、パックに入りやすい、それだけの理由で。
 

そこには原因の一つとして先進国のエンゲル係数の低下が挙げられている。家計のうち食費の占める割合が極端に低下して「もったいない」という気持ちが失われたのだと。
 
 

ジャンクフードで栄養失調になる子どもたち

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約5000万人もの飢えた人々を抱える国がある。GDP(国内総生産)世界一の国、アメリカだ。月収が60ドル前後の家庭は、アメリカ政府が規定する貧困層(1世帯 家族4人の年収 約240万円以下)にあたる。子どもたちはいつも飢えている。朝昼晩3食食べられる日は珍しい。夕食もシリアルだけだったりする。冷蔵庫はいつも空っぽ。明日、食べられる保証はない。
 
こうしたフード・インセキュリティ(食料不安)のなかで暮らす人々は全米に約5000万人もいる。
 
 

南部ミシシッピ州、ジェームズダウンにはトレイラーハウスが並び、年収240万円以下の黒人貧困層が住んでいる。住民はみんな太っている。チップスやソーダ、ラーメン、缶詰などのジャンクフードばかり食べているせいだ。理由はそれしか売っていないから。ジェームズタウンにはスーパーマーケットがない。
 

生鮮食品が買えない地域をフード・デザート(食料砂漠)と呼ぶ。現在、アメリカでは2350万人がフード・デザートに住んでいる。
 
ジャンクフードは同じ価格の生鮮食料品にくらべて、10倍以上のカロリーがある。ジャンクフードのほとんどは炭水化物と糖分。彼らは充分食べているようにみえるが、医学的には飢餓状態だ。栄養失調なのだ。カラダを維持するのに必要なビタミンやカルシウムや鉄分を摂取していない。体が形成される子どもにとっては致命的だ。

また、加工食品には保存や味や香り、色の調整のために大量の添加物が入っている。ひとつのパックに保有された量なら問題ないのでFDAから認可されているが、毎日そればかりを食べ続けたら危険な量まで蓄積される。
 
 

日本でも、厚生労働省の調査によると、子どもたちに肥満と痩せすぎが増えている。栄養の偏りが原因だとされている。また、食料自給率は年々減っており、世界的なメガファームの影響と決して無縁ではない。
 
 

参考

kotoba (コトバ) 2014年 04月号 [雑誌]
「ドキュメンタリー映画が語る食品地獄」町山智浩

 

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