日本国内における「自然栽培(ワイルドクラフト)」の作物は、全体のたった0.02%しかありません。「有機栽培(オーガニック)」の0.3%と合わせても耕地面積の0.5%にも満たず、「無農薬」栽培のシェアは低いのが現状です。

 

諸外国における有機栽培のシェア

諸外国における有機農業のシェア
via: IFOAM: THE WORLD OF ORGANIC AGRICULTURE

 

2013年の世界各国の耕地面積に占める有機栽培(オーガニック)のシェアは、イタリア(10.3%)、ドイツ(6.4%)イギリス(3.3%)フランス(11.9%)、カナダ(1.3%)、米国(0.6%)、韓国(1.1%)、中国(0.4%)となっており、日本は他の先進諸国に遅れをとっていることが分かります。
 

有機栽培でさえ、こうなのです。
 

自然栽培のシェアは0.02%と、さらに微々たるものです。
 
 

日本は世界一の農薬大国

日本は、単位面積あたりの農薬使用量が最も多い国で、EU諸国からは日本の農産物の輸入が規制されているほどです。農薬は土壌汚染をもたらすだけでなく、ネオニコチノイド系農薬が「発達障害の原因となる」と警鐘を鳴らす専門家もいます。
 

そんな日本国内において、有機栽培(オーガニック)0.3%、自然栽培(ワイルドクラフト)たったの0.02%でも存在することが、なんだか奇跡のように思えてきます。
 
 

自然栽培をもう一度おさらい

自然栽培の定義は明確に定められてはおらず、農家ごと手法に多少バラつきがありますが、ここでは基本的に農薬も肥料も使わないものと定義しています。ヨーロッパで盛んなオーガニックは、定められた有機肥料を使用するのに対し、自然栽培は有機肥料さえ使わないところが、オーガニックとの大きな相違点です。
 

自然栽培、有機栽培、慣行栽培の大まかな分類

ざっと分類すると以下のようになります。
 

「慣行栽培」「有機栽培(オーガニック)」「自然栽培(ワイルドクラフト)」の違いと特徴
 

各栽培法について、詳しくは過去の記事を参考にしてください。

 

重層や食酢を農薬扱いするおかしな農薬取締法

自然栽培は無農薬・無肥料を前提としています。しかし農薬の代わりに天然成分である重曹や食酢を用いた場合、これらが法律上の特定農薬に分類されるため、「無農薬とはいえない」とする見解もあります。食品を農薬扱いすることには疑問を感じますが、現在の農薬取締法ではそういうことになっています。
 

自然栽培の第一人者である秋さまこと木村秋則氏も、場合によって食酢やワサビなどの天然成分を農薬の代用として使うことがあります。「たとえ食品でも特定農薬に指定されているのだから厳密には自然栽培(無農薬)ではない」とする意見があることは事実です。個人の判断にゆだねるしかない、というところが自然栽培の残念なところです。
 

しかし、普段口にしているあの酢が、健康効果満点のあの酢が、虫をやっつけるからといって農薬に認定するというのはいかがなものか・・・、というのが私の正直なところ。知れば知るほど疑問がわく農業界。明日はいかなる疑問がわきおこるのでしょうか。
 
 

自然栽培の本質

秋さまが農業指導のためにドイツを訪れたとき、現地のオーガニック農家に「肥料を使わないなんてあり得ない!ふざけんなジャップ」と、全否定されたそうです。しかし実際に結果を出して見せたところ、現地の人々も納得してくれたのだそうです。
 

長年、農薬や肥料を使った農法を実践してきた方ほど、自然栽培に対して否定的だといいます。逆に若い農家さんの方が自然栽培に対して好意的に受け取る傾向があり、実際の成功率も高いのだそうです。
 

自然栽培・ワイルドクラフトとは、愛情をもって生きとし生けるものが調和した平和な世界を築こうとする意思こそ本質であると私は考えます。平和とは、愛を起点とする調和した状態です。
 

他の生物や病を排除することを目的とした農薬は、まるで人間だけが良ければいい、邪魔なものは排除、という排他的で分裂的な思想を象徴しているかのようです。
 

どうであれ、ご時世にそぐわないものは自然に淘汰されていくのでしょうが。
 
 

ワイルドクラフトの作物は手に入りにくい?

少ないとはいえ、最近では自然栽培を成功させている農家が徐々に増えているように思います。
 

以前書いた「ワイルドクラフトの野菜を食べたいけど、どこで買えばいいの??」という記事でも紹介しましたが、全国に自然栽培を実践する農家が着々と増えています。
 

そもそも自然栽培という名前自体があまり知られていないせいか、作物が無くなるほど注文が殺到するということはないのかもしれません。自然栽培を求める消費者自体、まだそこまで多くはありません。健康意識の高い人を中心に人気があるといったところです。
 
 

もっと詳しく見る
 

リンゴ栽培には農薬が不可欠。誰もが信じて疑わないその「真実」に挑んだ男がいた。農家、木村秋則。農薬に代わる「何か」を探して手を尽くす。やがて収入はなくなり、どん底生活に突入。壮絶な孤独と絶望を乗り越え、ようやく木村が辿り着いたもうひとつの「真実」とは。

 
 



 

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