【漢方・薬膳料理】身近な食材を上手に使うだけ!おいしくて簡単な薬膳レシピ集~「気虚」「血虚」編~

薬膳は本来、病気の治療のためのものなので、生薬を積極的に使うこともありますが、普段の養生として取り入れるのであれば、身近な食材だけで十分です。今回は「気虚」体質、「血虚」体質の人のための薬膳レシピをご紹介します。

 
まずは、自分の体質を知ることから。
 
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「気虚」の人にオススメの薬膳

薬膳料理レシピ:鮭と南瓜の豆乳汁

材料


南瓜(かぼちゃ)
ほうれん草
だし汁
豆乳
白みそ
黒コショウ
 
※分量はお好みで調整してください。
 

作り方

  1. 出し汁に甘塩鮭・南瓜(かぼちゃ)を入れて煮込み、南瓜(かぼちゃ)が軟らかくなったら白みそ、豆乳を加えて火を止める。
  2. 器に鮭、南瓜(かぼちゃ)、茹でたほうれん草を盛り、豆乳汁を注ぎ、黒コショウをふる。

 
南瓜(かぼちゃ):甘/温 脾胃 お腹を温め、気を補い消化活動を促進する。慢性疲労や便秘、糖尿病に有効
http://ra-story.com/?p=5017
 

薬膳料理レシピ:潤い参鶏湯(サムゲタン)

材料

鶏手羽肉
生姜(しょうが)
ニンニク
棗(なつめ)
松の実
白木耳(しろきくらげ)
香菜(シャンサイ)
クコの実
塩少々
 
※分量はお好みで調整してください。
 

作り方

  1. 鶏肉は茹でこぼして流水でよく洗う。
  2. 白木耳(しろきくらげ)は水で戻して小さく刻む。クコの実は水で戻す。ニンニク、生姜(しょうが)は薄くスライスする。香菜(シャンサイ)は1㎝に刻む。
  3. 鍋に洗った米、鶏肉、白木耳(しろきくらげ)、松の実、棗(なつめ)を加えて中火にかけ、沸騰したら鍋底からかき混ぜて弱火におとして約1時間煮て塩を加えて調味する。途中でこげそうなら水を足す)
  4. 3が煮えたら器に盛り、クコの実、香菜(シャンサイ)を散らす。

 
松の実:甘/微温 肝・肺・大腸「益肺潤燥」「健脾滑腸」
http://ra-story.com/?p=7420
 

補気鶏粥

材料(4人分)

もち米 1合
水 1.5リットル
鶏もも肉 100g
生姜 1/2かけ
塩 1つまみ
乾燥大豆 50g
長ねぎ 1/4本
しそ 4枚
 

作り方

  1. 乾燥大豆は水に30分浸した後、水を良く切り、フライパンに移して弱火で色づくまで煎る。熱が取れたらミルで荒く砕く。
  2. もち米は洗って水に40分浸す。
  3. 鍋にもち米、水、薄切り生姜、鶏もも肉を入れ、中火にかけて沸騰したら弱火にしてお粥をつくる。
  4. 3から生姜を取り除き、塩で味付けして器にもりつける。
  5. 1の大豆、白髪ねぎ、刻んだしそを添える。

 
力まないと便が出ないタイプの便秘、 疲れやすいタイプの風邪予防、 特に午後疲れるタイプの疲れ、 力のない弱い咳タイプの咳、 食欲がないタイプの胃のトラブル、 疲れやすいタイプの下痢、 たちくらみがするタイプのめまい、 疲れやすいタイプのむくみ…など
http://www.kampodesk.com/special_recipes/1
 

豚肉のしょうが焼き(豆鼓入り)

材料

豚肉(生姜焼き用) 5枚
生姜汁 小さじ1
酒 大さじ1
しょう油A 大さじ1/2
しょう油B 大さじ2と1/2
みりん 大さじ2
砂糖(ラカンカ) 大さじ1
しょうがのすりおろし 1片
サラダ油 適宣
レタス 2枚
トマト 3個
大葉 1枚
みょうが 適宣
豆鼓 2個
酒 大さじ2
 

作り方

  1. 豚肉に下味(生姜汁、酒、しょう油A、酒大さじ1)を10分程つけておく。
  2. その間に、合わせ調味料を準備しておく。 (みりん、砂糖、しょう油B大さじ2と1/2)
  3. 豚肉をキッチンペパーでふきとる。
  4. フライパンにサラダ油を熱し中火で豚肉を焼く。 酒大さじ1を加える。
  5. 両面焼けたら②で準備しておいた合わせ調味料を入れ豚肉とからめる。
  6. しょうがのすりおろしと豆鼓を入れて、からめたら火を止める。
  7. お皿にレタス、トマト、大葉、みょうがなどお好みの野菜を添えて出来上がり。

※砂糖に羅漢果(ラカンカ)を使用。 ウリ科の植物で自然派の甘さです。 砂糖と同じ量でカロリー0でヘルシーです。 煮物におすすめです。
 
陰虚、血虚、気虚、お血タイプ 腎、心、肺、肝タイプ 豚肉は美肌効果。 豆鼓は大豆を蒸して発酵させ乾燥させた食品です。 ストレスや血糖値を抑える効果があります。 酒は血の巡りを良くする。
http://mai-yakuzen.jp/control/mt/recipe_details.cgi?number=49
 

オススメの食材

  • 穀物類:うるち米、もち米、黒米など
  • 肉類:牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉など
  • 魚介類:えび、うなぎ、いわし、鮭、鯖、太刀魚、たこ、帆立貝など
  • 豆類:そら豆、大豆、白いんげん
  • 野菜:山芋、さつま芋、じゃが芋、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ
  • その他:鶏卵、きのこ類など
  • 食薬:陳皮(ちんぴ)、はと麦、棗(なつめ)、龍眼肉(りゅうがんにく)など

 

主食のオススメは雑穀

胃腸の働きを高めながら、血のめぐりもよくするひえ、きび、あわ、麦、などの雑穀がおすすめです。白米に混ぜて炊くと、無理なく食べられます。甘みを感じるまでよく噛んで食べると内臓を強くします。
 
また、玄米もすぐれた栄養がありますが、消化が悪いため、胃腸が丈夫でない人が毎日食べるのなら、柔らかく炊くか、お粥にするなどの工夫を。
http://www.k4.dion.ne.jp/~yama.ph/008-04kikyo.html

 

気虚とは、人の活力の素である「気」が不足している状態のこと。カラダがだるい、息切れがする、疲れやすい、風邪を引きやすい、冷え性といった特徴があります。
 
食材には、加熱したもの、体を温めるもの、胃腸の消化吸収機能を高めるもの、平性、温性のものを選ぶことがポイント。また、胃腸の消化・吸収力を低下させる冷たいもの、生もの、油っこいものは、とりすぎないようにすることが大切です。
 
 

「血虚」の人にオススメの薬膳

薬膳料理レシピ:鶏手羽の黒酢煮込み

材料

鶏手羽 8切れ
黒木耳(くろきくらげ) 10g
棗(なつめ) 8個
酒、水、黒酢 各60cc
黒砂糖 大さじ3
生姜スライス 4枚
ニンニク 2カケ
鷹の爪 2本
八角 1個
 

作り方

  1. 棗(なつめ)、黒木耳(くろきくらげ)は水で戻す。ニンニクはつぶしておく。鷹の爪は種を除く。
  2. 鶏手羽は塩、コショウをしてフライパンで両面に焼き色をつけておく。
  3. 2のフライパンの脂をふき取り、水、酒、黒酢、黒砂糖、生姜、ニンニク、鷹の爪、八角を入れて煮立て鶏手羽を戻し入れ、黒木耳(くろきくらげ)、棗(なつめ)を加えて蓋をして中火~弱火で20分ほど煮詰め、蓋を外し、鶏手羽を返しながら照りがつくまで煮詰める。

 
八角:辛甘/温 脾・肺・腎「温陽・散寒・理気・止痛」
唐辛子:辛/大熱 心・脾・胃「温中散寒・開胃化湿・降気消食」
ニンニク:加熱 甘/温 脾・胃・肺「温中健胃・化痰」

http://ra-story.com/?p=5339
 

薬膳料理レシピ:鯖のサッパリ梅煮

材料


4切れ
水 100cc
酒 50cc
濃口醤油 25cc
みりん 25cc
梅干 3個
生姜 1カケ
砂糖 大1
刻み大葉 5枚分
 

作り方

  1. 鯖は熱湯でサッと霜降りをして冷水で血合いをよく洗い流す。
  2. 鍋に鯖、水、調味料、梅干を加え中火で煮汁が半分になるまでにつめ、生姜を加え5分ほど煮て火を止める。
  3. 器に鯖、梅、煮汁を回しかけ、刻み大葉を添える。

 
鯖:甘/温 脾・胃「補気・補血」「健胃」「活血」
http://ra-story.com/?p=3550
 

あさりの酒蒸し

材料

あさり 200g
小ネギ 適宣
酒 1カップ
しょう油 1大さじ
にんにく 1/2片
バター 1個
サラダ油 適宣
 

作り方

  1. あさりをよく洗う。 にんにくと小ネギはみじん切りにする。
  2. サラダ油をフライパンに熱し中火でにんにくを炒め、次にあさりとバターを入れる。
  3. 酒を加えふたをして中火で蒸す。 あさりの殻が開いたら、しょう油をかけて出来上がり。

 
※あさりは砂抜き使用。 バターは1cm幅に切ったのを1個使用。
 
血虚、陰虚、痰湿、お血タイプ 腎、心、肺、肝タイプ あさりは、貧血改善やむくみをとったり、イライラを鎮める効果があります。 酒は、血の巡りを良くします。
http://mai-yakuzen.jp/control/mt/recipe_details.cgi?number=48
 

マグロの美人力upとろろ添え

材料

マグロ 200g
わさび 適宣
しょう油 小さじ1
砂糖(ラカンカ) 大さじ2
長いも 10cm
大葉 1枚
水菜 適宣
 

作り方

  1. マグロを5cm幅にそぎ切りにする。 下味(わさび、しょう油、砂糖)に5分程つける。
  2. その間に、長いもをすっておく。 水菜を1cm幅に切る。
  3. 大葉の上に盛りつける。

 
※砂糖に羅漢果を使用。 ウリ科の植物で自然の甘さです。(カロリー0) 煮物におすすめです。
 
血虚、陽虚、気滞タイプ 腎、心、肺、脾タイプ マグロは、老化防止、動脈硬化予防。 DHAが含まれている。 やまいもは、食欲不振、だるさを改善。 大葉は気の巡りを良くし、花粉症、夏バテに効く。
http://mai-yakuzen.jp/control/mt/recipe_details.cgi?number=52
 

オススメの食材

血を補うためには、色の濃いものもきちんと食べることが大切。

  • ドライフルーツ:プルーン、なつめ、クコの実など。
  • 動物性たんぱく質:レバー、鶏肉、牛肉の赤身、まぐろ、かつおなど。
  • 植物性たんぱく質:豆腐、納豆など。
  • その他:緑黄色野菜、黒豆、ひじき、黒ごま、黒きくらげなど。

※野菜や穀類と組み合わせてとるとよい。
 

一度にたくさん食べず、多種類の食品を少しずつとる

食生活にかたよりがあるようなら、まずはそれを改善する事が大切。ひとつのものばかり多く食べるのはやめて、できるだけ多種類のものを食べるように心がけましょう。
 
また、このタイプは、食べ物から必要な栄養を吸収する力が弱いので、「血」を補給するための食品も、一度にたくさん食べず、何度かに分けて食べる方が効果的です。
http://www.k4.dion.ne.jp/~yama.ph/008-01kekkyo.html

 

「血虚」とは血が不足していること。めまいや立ちくらみ、目がかすむ、顔色が白い、ツヤがない、肌が乾燥する、動悸、こむら返りをよく起こす、などの特徴があります。貧血とまではいかなくても、血球細胞の働きが悪くて血虚となる場合もあります。
 
 

「気虚」と「血虚」の関係

気と血は共に影響を与える陰陽の関係のため、両方を併発する事が多い(「気血両虚」(きけつりょうきょ)という)。控えた方がよい食べ物も、気虚と血虚は概ね同じです。