自然栽培というと百姓がするものみたいなイメージがありますが、実際には家の庭やプランターでも簡単にできるんです。
しかも農薬や肥料を使わないから、通常の育て方よりもずっと低コスト。そのうえ環境にも人にも優しいという優れものです。
現在、日本で行われている栽培の99%は農薬・肥料を用いた慣行栽培で、消費者が自然栽培の作物を手に入れることは容易ではありません。
家庭で手軽に自然栽培を実践できて、もっと自然栽培が身近なものになっていくことを願っています。
※自然栽培(ワイルドクラフト)、有機栽培(オーガニック)、慣行栽培(日本の作物の99%がこれ)、それぞれの違いについては、過去の記事を参考にしてください。
この記事の「目次」
自然栽培の基本
畑で作る時も、プランターで作る時も基本は同じです。
重要なのは土づくり。
肥料の入っていない土を使い、根っこを生長させることを考えます。赤土に、鹿沼土を少し混ぜて使いましょう。土はホームセンターや園芸店で手に入ります。
最初は失敗するかもしれません。でも、その失敗は次につながります。時間がかかることを覚悟して続けていれば、じっくりと成長をまつことができるでしょう。
種をまくとき、苗を植えるときは、ぜひ「早く芽を出してね」「どんどん伸びてね」と声をかけてください。朝、水をあげるときは「おはよう。元気?」「今日もカワイイね」「愛してるよ」など、あいさつをしてあげてください。芽が出て、葉が伸びていく様子を見ていると、毎日の時間も自然のリズムに近づくはずです。
自然栽培のポイント
自然栽培を行うにあたって、4つのポイントがあります。
- 自然の生態系に沿った栽培をする。
- 科学的に合成されたものは使用しない。
- 植物が本来持っている力を生かして、生産向上につなげる。
- 土を生かす。
1.自然の生態系に沿った栽培をする。
自然発生する草や虫を敵とはせず、草も虫も土に還すことで、土はフカフカで栄養分豊かに、害虫が少ない調和した生態系が築かれていきます。
2.科学的に合成されたものは使用しない。
農薬や化学肥料は、空気や地下水を汚染することが分かっています。
植物が育つには窒素が必要ですが、自然栽培はバクテリアが土の中の有機物を分解し、たくさんの窒素を放出します。ですから窒素肥料などを使う必要がありません。
3.植物が本来持っている力を生かして、生産向上につなげる。
作物の特性を生かして、それぞれに合う土壌作りをするのが自然栽培の基本です。そのためには、作物を見て、天候を見て、その場その場で自分自身が判断していくしかありません。
自然栽培は、ただ何もせず放っておくわけではありません。畑の様子を見極め、ときには草刈りをしたり剪定をしたりして、作物が一番気持ちいい状態に調整していきます。
自然のままに放置するのではなく、自然を生かす工夫をすることが大切です。
4.土を生かす。
草も生えないような痩せた土地には、まず大豆を植えます。大豆は痩せた土地に向いています。
大豆を植えることで、植物の成長に必要な窒素や根粒菌が、土壌内に増えてきます。草が生えるようになったら、どんな種類の草が生えているか見てみましょう。
その土地の性質を見るには、生えている草を見れば分かります。詳しくは過去の記事を参考にしてください。
土地の性質に合った作物を植えるようにしましょう。
自然栽培に向いている人
自然栽培は、ガーデニングが好きな方、自分で作物を育ててみたい方、自然栽培に興味がある方、土いじりが快感という方、微生物と戯れたい方、セロトニン(幸せホルモン)を放出したい方、自然が好きな方、新たな自分を発見したい方、癒されたい方、老若男女問わず誰でもできます!
趣味の範囲で行える家庭菜園なら、生活が懸かっている農家のようなリスクもないし、もしかしたら偏見や先入観がない分、素人の方が自然栽培に向いているのかもしれません。私も完全なる素人から自然栽培を始めましたが、なんとかやってます。私は花が好きなので、花が中心です。
植物によって、好む場所というのがそれぞれありますが、まずは好きなものを植えてみるのが一番いいですね!試行錯誤するのもガーデニングの醍醐味です。
興味が湧いたそこのアナタ!
「You!! DOしちゃいなよ!」っていうサインですよ。
興味を持つ人 = 自然栽培を成功させられる人です。
自然栽培が合わない方というのは、そもそも興味すら示しませんから。
自然栽培を求める「個人」や、自然栽培を楽しむ「個人」がどんどん増えていくことによって、それがやがて大きな渦となり、農家さんたちの間にも「自分も自然栽培やってみよう\(^o^)/」って動きがどんどん高まっていったら、私たちの地球はますますステキなものになっちゃいますなー。